【聖徳太子はホントに偉い人なの (3) 】 [ブラック?ホワイト?]
『ブラック?ホワイト?』
【聖徳太子はホントに偉い人なの 】
日本書紀には弟とされる天武だが、天武がアカの他人
であることは間違いがない。でなきゃ壬申の乱で勝利した後、
天武の娘たちを四人も己のハーレムに入れたりはしない。
ついでながら、敗戦直前の満州で、ボクも同じような目に遭った。
父が軍隊に取られた留守に母に死なれた。十一歳だった。
四歳の弟がいた。関東軍主力の南方及び本土決戦用への
異動の穴を埋めるべく、急遽集められた「防人」の一人が父であった。
ボクが所属した会社も、呆れる程に「和」を重んじた。
世界的に見てすでに峠を越した綿花の輸入と綿製品の輸出に
重きを置いた。それで会社内の「和」は保たれた。
同時に世の中の進歩、発展には、他の後塵を拝することとなり、
気が付いた時には業界第七位に甘んじる結果となっていた。
「和」が往々にして停滞を招くことの見本である。
あらゆる営業本部で、業界第七位であれば良しとする、
不思議な雰囲気が生まれた。第八位となれば血相変えて
「何やってんだ!」となるが、第七位なら「和」を保ったことになる。
第六位になっただけで「良くやった」と評価される不思議さ。
商社マンの本領は、いついかなる時も、「我こそは業界を
制覇するぞ!」の意気込みがあって然るべきであり、常に
業界第一位の座を目指すべきであると考えたボクなどは、
「和」の世界に安住する輩から、常に変わった異端児と
見られていた。
【聖徳太子はホントに偉い人なの (2) 】 [ブラック?ホワイト?]
『ブラック?ホワイト?』
【聖徳太子はホントに偉い人なの 】
「和」の反語は「争」かといえば、そうとも限らない。
「新」「脱」「開」「拓」「閃」「秀」「英」などを持ち合わせた、
一見「異端児」に見える開明者が現われて、周辺の
冷たい視線を浴びながらも、敢然と文明を押し進めてきた。
例えば人力で石臼を力ずくで回し、小麦粉を挽いていた
時代に、水力エネルギーに目をつけて、水車を廻す
チカラを活用して、楽に石臼を回すことを発明した者を、
周辺特に長老どもが「楽をしたがるヤツ」と蔑んだことは、
容易に想像が出来る。
「和」を乱す者と大いに非難されたことであろう。
十八世紀にイギリスで起こった産業革命で、水車エネルギーが
追いやられ、蒸気機関が主たる工業の推進力となる。
生産力が一段とアップし、欧州列強の中に起きた競争原理が、
帝国主義へと向かうのだった。激しく競争し文明の進歩を見る
時代に「和」の尊重なんてありっこがない。
「和」は所詮競争を欠く、停滞の社会の中でこそ尊ばれた。
停滞の社会で辛い目に遭うのは農奴である。この当時の
庶民は、農奴をもって主力となす。
農奴は時として防人としての徴兵の憂き目にも遭う。
九州の防衛にわざわざ東国の者たちを指名する。
国家権力はただ命令するだけで、往復の旅費も含め
すべては自己負担である。
万葉集の中に「防人の歌」も集められているが、ボクが
最も心を痛める歌を次に示す。
悲惨な情景である。妻を亡くした男に徴兵令状が来る。
幼子たちは父の衣服に取りすがり泣く。その子らを保護
すべき母もいないのに、置き去りにして出かけて来てしまった。
これ以上の哀しい状況があろうか。置き去りにした子らの
運命は見えている。飢えて死ぬか、親戚筋のワルによって
売られるか、それしか考えられない。
天智という天皇もロクなもんじゃない。
≫【 聖徳太子はホントに偉い人なの (3)】へ
【 聖徳太子はホントに偉い人なの (1)】 [ブラック?ホワイト?]
『ブラック?ホワイト?』
【聖徳太子はホントに偉い人なの 】
今でこそ日銀券の顔から消えたが、百円札も、
千円札も、一万円札も最初に描かれたのは、
こぞって聖徳太子だった。
そんなにエライ人だったのだろうか。それなら
カレの子孫は山背大兄王をはじめ、根こそぎに
殺された事実は何を物語るのか。
単なる蘇我氏の血を引く皇子の一人に過ぎず、
御用済みとなって処置されたのが本当のところ
じゃなかったのか。
ホントにエライ人なのか、それが戦後の渡来人の
ボクには理解が出来ないのである。
聖徳太子が理想とし、天智天皇が下地を作り、
大宝年間に藤原不比等によって完成する律令制
だが、天皇を中心とする一部の貴族の下に、
農地と農民のすべてを国有化すると言うのは、
悪名高きロシアのツァーリ時代の農奴と、いったい
どこに違いがあるんだろう。
農奴制を始めたヤツがエライってなぁ、オカシクはないか。
律令制という言葉をボク流に分析したら、規律と
命令になる。お~、嫌だ嫌だ。そんな世界なんかに
住みたくはない。
苛斂誅求の世界から、多くの逃亡者が東国に逃れた。
そこで新興の開拓民の手伝いをやり、おそらくは
最初は水争いから始まった抗争から、鉄製の
本格的な武器が生まれ、東国に武士団が登場する。
これを要するに、古代日本に「ブラック」を支配する
「ホワイト」が制度化されたことになる。
強烈な人種差別であり、この時の規律と命令の
社会が、そのまんま徳川の官僚を作り、国の
存亡を賭けた大本営参謀群を作り、いま、
どうしようもない官僚王国を作るに至っている。
「和をもって尊しとなす」
そうかなぁ~と思ってしまう。あれは天皇及び
限られた貴族にとっては、都合の良い言葉であろう。
「和」が産んだものこそが、今日の「談合」じゃないのか。
「和」なんかを尊重していた日には、社会の進歩は
ありえない。人間社会の進歩は、常に一部の
先駆者が、「和を乱す者」と冷たい視線を受けながら、
孤独な労苦の末に実現させてきたものでは
なかったのか。為政者は特に社会の進歩を嫌う。
それは現代の会社にあっても、村落にあってもそうである。
≫【 聖徳太子はホントに偉い人なの (2)】へ
ブラック?ホワイト?
【本の内容】
四十年前の南アには恐怖の人種差別があった。
ブラック?ホワイト?緊張する名誉白人。
日本史に見る強烈な差別。
和は支配者のため。律令とは農奴をしばる法規制。
無能な司令官と参謀の下に無駄死にする将兵。
それは現在の日本列島にも連鎖している。
国民多数は常にブラックの位置におかれ、
少数のホワイトが「和」の社会秩序を謳歌してきた。
多くの社会にも同じ構造をみることが多いが、
これでいいのかニッポン!!
【 小林真一 プロフィール 】 [著者 小林真一について]
著者 小林真一 について
プロフィール
小林 真一(こばやし しんいち)
公式ブログ 「パパゲーノの華麗な生活」
商社マン生活23年間のうち、6年の欧州駐在を体験。
多くの企業に見る停滞と前例主義に果敢に挑み、
平社員の身分で専務との喧嘩も辞さず新分野の開拓に専念。
しかし、男のジェラシー渦巻くサラリーマン社会に嫌気をさし、
独立・企業。
現役社長業の傍ら、体験を生かした小説・エッセイを執筆。
2008年には、1年間で6冊もの書籍を執筆し、ギネスブックより
「世界一の著者」として認定証を授与される。
小林真一 著作品一覧
小林真一 著作品
炎の商社マン(上下巻) 拾い読みする
はぐれ狼が奔る 拾い読みする
アルプスの小川 書籍のブログへ
ブラック?ホワイト?
青山かおりの華麗な生活 拾い読みする
逆転「関ヶ原」 紹介ページへ
【 ブラック?ホワイト? 目次 】 [目次]
【 聖徳太子は本当にエライ人なの 】
( 1 ) ( 2 ) ( 3 )
≫≫ 最新の記事へ
著者 小林真一 プロフィール
小林真一 プロフィール
ブログ 「パパゲーノの華麗な生活」
きらめく星座社ホームページ ご注文フォーム
http://www.bonolat.jp/shopcontact_kirakira0.html
お電話でのご注文も承っています。
0120-198-011 (平日 9時~16時)
携帯電話の方は078-857-3148をご利用ください。
お問い合せ
kirakira@hermes-japan.co.jp
お問い合せフォーム
http://www.bonolat.jp/contact_kirakira.html
078-857-4470 (平日 9時~18時)